(一万ヒット記念作品)

 注意!

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 覚悟と苦いコーヒーの準備ができているなら↓へ。



























































「あれ…………?」
「ほえ?」

 俺、アカネが、アトリエで師匠を、後ろから、抱きしめる、インザサマー。
 
 なにがどうしてこうなった。














「今日も今日とてお仕事に励むとしますかね」
「ぷに」

 ギルドで一通り調合の依頼を受注した俺はぷにを頭に乗っけてアトリエの近くまで戻ってきていた。

「ん?」
「ぷに?」

 アトリエが目に入った所で、扉から見知らぬ顔のお二人が出て来た。
 ベージュのコートを着た男性と、どことなく見覚えのある顔立ちの女性。
 俺が声をかける間もなく、二人は立ち去ってしまった。

「来客なんて珍しいな」
「ぷに〜」

 遠ざかる二人の後ろ姿を尻目に、俺は扉を開いて中に入った。

「ただいま〜」
「ぷにに〜」
「あ、おかえりアカネ君」

 いつもの様に師匠のお迎えの言葉を浴びながら俺はソファに深々と座った。
 次いで俺は向かいでいすに座ってる師匠に、さっきの人たちについて聞いてみた。

「師匠、さっきの人たちってお客さん?」
「え、違うよ? わたしのお父さんとお母さんだけど……今まで会ったことなかったけ?」
「あ、あれが……」

 そう言えばあの男の人の方の髪の色は師匠と同じだった様な気がする。
 長い事ここにお世話になっているが一度も見た事がないし、話題にも上った事ないよな。

「まさか実在したとは……」

 未確認生命体を発見したかのような感動だ。
 今度トトリちゃんにこの感動を伝えてあげよう。

「それで、パパンとママンは何をしに来たんですか?」
「えっと……わたしもよく分からない……」

 そう言って肩を落とす師匠、どういうこっちゃ。

「好きな人はいるのかーとか、孫の顔が見たいーだとか」
「ああ、なるほど」

 見た目永遠の十代とは言え一応師匠もいい年だし、そういう話もされるのか。
 浮いた話がないか聞かれる娘と父の会話、実際にあるとは思わなかった。もうちょい早く帰ってきたら……俺が巻き込まれてそうで怖いな。

「その後結局お父さんとお母さんの惚気話になって終わっちゃうし……」
「ふうん」

 今年で二十二になる身の上としては、いまいち聞いていて楽しい話じゃなかったな。
 俺もいつかはこんな事で悩む日が来るのだろうか。

「まあ師匠ならその辺で男捕まえるのは簡単そうだけどな、男の方は殺すけど」
「アカネ君、それ笑いながら言う事じゃないよ」

 その辺の馬の骨に家の可愛いロロナ師匠は渡せないからな。
 その観点からいくと、やっぱり。

「…………ステルクさんとかは?」
「え!? いや、流石にステルクさんはないんじゃないかな。ほら年も離れてるし、そういう関係じゃないし」
「くっ!」

 思わず顔を伏せてしまう。
 どうすんだよこれ。ステルクさんに次会った時にどんな顔すればいいんだよ。
 
 師匠にステルクさんのことどう思ってるか聞いたら、ちょっと顔赤くしてないないって否定してましたよ、どんな気持ちですか! 今どんな気持ちですか!

「一刀両断の刑だな……」

 意外と繊細な心を持ってるから無言で立ち去るルートもありそうだ。

「そう言えばアカネ君、いつものポーチは?」
「ん?」

 その言葉で俺は手をソファの後ろの回したら、見事に腰には何もついていなかった。
 落としたか、忘れたか、どちらにしてももしアレを心ない人が拾ったら大惨事だ。

 爆弾が入ってやがる!→死ぬ。

 あらゆる課程を吹っ飛ばして一気に死に至るだろう。
 十割がたが自爆死だ。
 大惨事だ。犯人が大惨事な自爆テロだ。

「たぶん、ギルド忘れてきたんかね。取りに行ってくる」
「うん、いってらっしゃい」
「あいよ」

 俺はソファで寝ているぷにを起こさぬように立ち上がり、外へと向かった。








「おお、マイスイートハニー」

 フィリーちゃんから手渡されたポーチを両手でギュッと抱きしめた。
 カウンターに置きっぱなしだったのをフィリーちゃんが取っておいてくれたらしい。

「いやー、一時はどうなる事かと思ったぜ」
「気をつけてくださいよ。触ったら爆発しそうで怖かったんですから」
「ん、まあ今度から気をつけるわ」

 そう言って帰ろうとしたところで、さっきの師匠との会話を思い出した。思い出してしまった。

「フィリーちゃんはさ、師匠が男と付き合うってなったらどうよ?」
「お、男の人とですか? す、素敵な人なら良いんじゃないかと……」

 フィリーちゃんは少し顔を赤らめてそう答えた。
 何かがおかしい。

「え? フィリーちゃん、男と女だけど……良いの?」
「私だって成長してるんですよ。最近は異性同士でもいけるんですから」
「そ、そうか……」

 この成長は是か非かどっちだ。
 なんか凄い威張ってるけど、より残念な子になったっていう印象が強いぞ。
 このまま成長して男と男なんて言い出した日にゃあ、錬金術で記憶喪失の薬でも作りだしてやらなくちゃいけなくなるな。

「ロロナさんとステルクさんの恋物語、お互いに意識はしあってるけれど口に出せないっていうのはどうでしょうか」
「やめてやれ」

 たぶん今鏡見たら俺ってこんな顔もできるんだって顔になってるわ。
 切なさと悲しさと罪悪感とが入り混じった顔になってるよ。

「そうですか。それじゃあ、弟子の幼馴染との年の差を気にしつつの甘酸っぱい恋……」
「それだったら後輩君とトトリちゃんの正統派を俺は押すぞ」

 思わずカウンターに手を突いて主張してしまった。
 その俺の反応に興が乗ったのか、フィリーちゃんはますます勢いに乗った。

「ミミちゃんとジーノ君で貴族との身分違いの恋! 最後は世間の目に耐えられずに駆け落ちに!」
「バッキャロー! その組み合わせならミミちゃんの片思いで、そんな自分の気持ちを認められずにきつい態度を取ってしまい悶々と悩んでしまう……とかだろ!」

 まるで卓球のようにポンポンと言葉を打っては返して打っては返して、妄想卓球のオリンピックがあったら俺とフィリーちゃんのダブルスで天下をとれそうだ。

「それならアカネさんとロロナさんとか! 師弟間の禁断の愛……」
「おいこら俺を巻き込むな――っうええ!?」

 目の前でフィリーちゃんが凄い息を荒げて顔を赤くしている、これはまさか。

「クーデリアさん! 医務室に! この子医務室につれてって!」

 興奮しすぎて過呼吸になってる!
 それでなくても色々と病気なのにこの子!

「あらあらやっとバカ騒ぎは終わったみたいね。次来た時に覚悟しておきなさい」
「くそっ! またかよ!」

 フィリーちゃんとの妄想話は完全に死亡フラグだと決定しておこう。







 あれから逃げるようにアトリエへと戻ってきた。
 しばらくギルドには行かないようにしよう。

「おかえりアカネ君、今ちょうど作ったところだから、一緒にパイ食べよ」
「おお、それはなかなかに魅力的なご提案」

 ポーチをソファに投げ飛ばし、俺はさっそくキッチンから茶器を持って来た。
 ポットにお湯を注ぎ、ちょうど良いところでティーカップに紅茶を注いでいく。
 これもイクセルさんとの修行の賜だ。

 注ぎ終わった俺は早速テーブルについて、パイにかじりついた。

「相変わらず師匠のパイはおいしいよな」
「ぷに〜」

 いつの間にかぷにもテーブルの上に乗って、切り分けられたパイを食べていた。
 こいつは本当に食い意地はってると言うかなんと言うか。

「アカネ君の紅茶もおいしいよ。すごくパイに合ってるもん」
「そこは俺の料理人スキルのなせる技だな」

 師匠とのティータイム、最近感覚がおかしくなってきてるけど、これって凄い贅沢な事だよな。
 他の男に渡すとかやっぱりないわ、名も知らぬAさんが師匠と向かい合ってる絵を想像するだけで怒りゲージが溜まってくからな。

 そんな事を考えていると師匠のティーカップが空になったようなので、俺はポットに手を伸ばした。

「あ、いいよアカネ君。わたしがやるから」
「にゃ!?」

 白いポットの上に乗せた俺の手の上に、師匠の手が重なった。

 やわっけえ……じゃなくて!

「あ、ご、ごめんなさい!」

 俺は超反射的に手を引っ込めた。
 なんかもったいないことした気分だが、あのままだと俺の精神が崩壊してたのは語るまでもない。

「どうしたの? そんな顔赤くして、大丈夫?」
「ああ、うん。平気平気。最近ちょっと暑いからさ」

 この師匠狙ってやってるんじゃないだろうな。自覚したせいでますます顔が火照っていくのが分かってしまう。
 落ち着こう、紅茶を飲んで、さっきまでのフィリーちゃんとのバカなやり取りでも思い出して……。

『それならアカネさんとロロナさんとか! 師弟間の禁断の愛……』

「ゲホッ! ゲホッ!」
「わわっ! 大丈夫!?」
「平気平気、ちょっとむせただけだって」

 凄い勢いで紅茶が気管に入り込んでしまった。
 深刻なシーンのチョイスミスだ。ああ、ダメだダメだ。なんか思考が定まってこない。

 そんな俺の想いとは裏腹に師匠は俺の頬にハンカチを持った手を伸ばしてきた。

「もう、アカネ君。紅茶で濡れてるよ」
「…………」

 近づいてくる師匠の顔。 

 思考が停止した。

 ああ、なんつーか、師匠の頬とか手以上に柔らかいんだろうなーとか考えちゃったりとかしてさ……。
 本当に見れば見るほど師匠って可愛い顔してるよなー。
 つか、これもうちょっと首伸ばしたら……。

「ぷに?」
「――はっ!!」

 ぷにの声で現実に戻ってきた。

 ありえんありえん! ああもう、何考えてるんだよ俺は!
 師匠の顔が見れない、恥ずかしすぎるし申し訳ない!

「さよなら!」
「へ? ア、アカネ君!?」

 師匠の声を背に俺はアトリエを飛び出し、無我夢中でアーランド中を駆け回った。







「やだ……死にたい」

 翌朝、俺は布団から出たくない症候群にかかっていた。

「何師匠の事邪な目で見てんの? 死にたいの? 別にそういう目で見ちゃいけないって言ってるわけじゃない。だけどさ、あんな衝動的なのはダメだろって話だよ」

 よしよし、冷静に自分を分析できてるぞ。
 詰まる所昨日の事は、色々と不幸な要素が重なりに重なり合わさった事故みたいなもんだ。

 断じて師匠を好きだなんて気持ちはないはずだ。いやでも……。

 いやいや、でもも何もない。ないったらない!
 今日になればいつもの俺に戻っている、さあいざ行かんアトリエに。






 結果、こうなった訳だ。

 肩の上から首に手を回す俺、慌てふためく師匠。

 アトリエに来て釜をかき混ぜてる師匠を見たら、こう……自然と吸い込まれるように、ねえ?

「あ、ああ、あのアカネ君? これじゃあ……えっとその、かき混ぜられない……」
「うん……」
「えっとね……その……」

 横からでも分かるほどに師匠の顔は真っ赤になっていた。
 そして同様に俺の顔もさぞ酷い事になっているだろう。

 なんで抱きしめたかって言われたりゃ、一言で言うなら他の男に渡したくはなかったっていう理由なんだけどさ。
 どうしたら良いのこっから? 自然止まってたら画面と言う名の俺の視界が暗転したりする訳ないし。
 言わなきゃダメ?
 自分の気持ちながら自分でもよく分かってないんだけど、この感情と言うか気持ちってやっぱりアレだよな。

「……す」
「す?」

 意を決して、俺は静かに息を吸い込んで言葉を放った。

「好きです! ラヴです!」
「へ?」

 固まる師匠。
 頭真っ白で背中に汗かきまくりな俺。

「う、うわーーーん!」

 俺の腕を振りほどき、泣きながら飛び出した師匠。

「泣かれた……」

 客観的に見て、腕を振りほどかれる、泣きながら飛びだされる。
 これで好意的に解釈できる客観視ってどっかに転がってないかな。

「毒薬を作ろう」

 今の僕は錬金術士、何でも作れるすごい人だからね!

「ちくしょー、ちくしょー……」

 失意のあまり俺はソファに体を投げ出した。
 空気を呼んだのかぷにはいない、いるのは床をあるいているちむちゃんたち――――っ!?

「見てた?」
「ちむ」

 長女のちむちゃんが大きく首を縦に振った。
 そこで間が悪くも扉が開いた。

「ト、トトリちゃん」
「あれ、先生は今日いないんですか?」
「あーうん、一身上の都合と言うか……」

 トトリちゃんの方から目線を左にずらし、ちむちゃんたちの方を見ると。

「――――」

 声にならない声が上がった。
 ちむちゃんを後ろから抱き締めるちむおとこくん。
 何やら寸劇が始まっていた。

「……ち」
「ち?」
「ちむむ! ちむむ!」
「ち、ちむーーーー!」

 泣きながら出て行くちむちゃん、見事にさっきまでのシーンを再現していた。

「……ええっと?」

 セーフ! トトリちゃんは何の事かわかってない!

 俺がホッとしたのもつかの間、ちむちゃんがパイを手に持ち戻ってきた。
 そしてちむおとこくんは俺の事をダボダボの袖で差している。

「…………」

 考え込むトトリちゃん、あれか配役を教えようとしているのか。
 この世界の舞台から降ろしてやろうかな、こいつら。

「え、も、もしかしてアカネさん?」

 どうやら気付いたようだ。
 顔を赤く染めてわたわたしているが、興味津津な心が目に現れている。

「悪いか! 誰にも迷惑かけてねえじゃん!」
「で、でも、その……」

 言葉を濁し続けるトトリちゃんの両肩に俺は手を乗っけた。

「トトリちゃん、知ったからには、協力してもらうぜ?」
「は、はい!」

 俺はパパっと台本を作り、トトリちゃんに手渡した。
 中に目を通したトトリちゃんは顔をしかめて口を開いた。

「え、あのアカネさん。これは流石に……」
「男として最低辺と軽蔑してもらってもかまわない」
「そんな無駄に良い顔で言われても」
「トトリちゃん、いくらトトリちゃんでもそう反抗的だと、俺が靴を舐める事になるぜ?」

 俺はトトリちゃんにできる精一杯の脅し文句を叩きつけた。

「そ、それはイヤですけど」
「ならやろうじゃないか! 先輩に対しての日ごろの恩返しだ!」
「なんかいつもと違ってスゴイ恩着せがましいような気が」
「男って生き物はさ、いざって時はどんな事でもやってのけるんだよ」
「うわあ……」

 俺はトトリちゃんのドン引きしている声を聞こえないふりして、見えないクロークを着こんでアトリエの隅っこに佇んだ。

 待つ事数時間、ついに師匠が現れた。

「アカネ君は、いない、よね」
「ハ、ハイ。アカネサンナラ、モウカエリマシタヨ」

 トトゥーリア・ヘルモルト、君の正直さが今日ばかりは命取りだったか。
 だが、そんな無理ですよって目で訴えかけても今日の俺は一切優しさを見せないぞ。
 恋は戦争、ラヴ・イズ・ウォーズだ。

「どうしたのトトリちゃん? 今日なんか変だよ?」
「ソソ、ソンナコトナイデスヨ」

 台本にない台詞まで棒読みに、こりゃバレるのも時間の問題か。

「ソ、ソンナコトヨリ、キイテホシイコトガアルンデスヨ」
「え? 何々?」
「ジ、ジツハー、ワタシアカネサンノコトスキナンデスヨー」

 恐ろしいまでに感情が0の演技だ。
 このタイミングでこの演技、これじゃあ四十八億人いて一人騙せるかどうかだよ。

「だ、ダメ!」
「え?」
「へ?」

 あ、あれ? これはまさかの真坂さんがまさまさか?

「あ、その、ダメって言う訳じゃないんだけど。えっとね……」

 スカートの端を掴んで、視線を右往左往としている師匠。

 俺の中のAとBの人格が今出るべきかどうか対立している。
 この反応がただの勘違いだったら痛いからもう少し待てというAをすかさずBが殴り付けた。

B「好きになった女が困ってるんだぜ? それもてめえが思いついた小細工のせいでだ。ここで出て行かねえでいつ出てくってんだ。もしとか、たらとか、ればとか、んな小さい事気にしてる暇があったら一気に突き抜けろ!」

 良い事言うなあBの奴。

「し、師匠!」
「あ、アカネ君!?」

 俺はクロークを脱ぎ捨てて、師匠に詰め寄った。
 ちなみに逃げられないように、玄関側に一旦回り込んでから脱いだ事は言うまでもない。

 顔を真っ赤にして俯いた師匠の肩を掴んだ、

「実は今のは演技だ」
「え?」

 まったく気づいていなかったご様子で、ポカンと俺の顔を見上げた。

「そして、俺は師匠が好きです。なんつーか、誰にも渡したくないんです。想像しただけで気分が悪くなります」
「えと、ちょっと待って……」
「わあー……」

 視界の中でトトリちゃんが顔を手で覆って、指の隙間から見ているが気にしてる場合じゃないわな。

「じょ、冗談とかじゃ……」
「ない」
「わ、わたしなんか」
「十分」
「し、師匠だし」
「関係ない」
「あ、あう……」

 目の前の可愛い生き物はスカートの端を握りしめて、俺の事を上目遣いで見上げてきた。
 今死んでも俺は人生に悔いはない。

「よ、よろしくお願いします…………」

 今にも消え入りそうな声で師匠はそう口にした。口にした。俺は聞いたぞ。この耳で聞いた。
 トトリちゃんも聞いた。この世界も聞いた。
 ありがとう異世界、ありがとう母さん、ありがとう、ありがとう。

「愛してますよ! 師匠!」
「あ、あわわわ……きゅう……」
「ちょ! 師匠!?」

 処理能力が追いつかなかったのか、師匠は俺の胸の中に倒れ込んできた。
 こんなに良い思いしていいのかな俺。世の中の他の人間に申し訳が立たないぞ。

「とりあえずソファに寝かせて――――くうっ!」
「アカネさん、おめでとうございます」
「ああ!」

 世界がこんなに美しく見えるのは初めてだ!
 今なら全ての生き物を幸せの力で浄化できそうだ!

「俺はこの世界で一番の幸せ者だぜ!」

 そして時を重ねるごとに、全宇宙、全平衡世界とランクアップしていくことになるだろう。
 俺は師匠の手に手を重ねて軽く握りしめた。

「アカネ君……」

 師匠が俺を小さく呼ぶ声に、俺もまた小さく返した。

「ロ、ロロナ……さん」

 名前を呼ぶ程度でこんなに恥ずかしいけれど、それだけこれからに期待ができると言う事だよな?



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